切り花の芍薬(シャクヤク)のつぼみを咲かせるコツ

春から初夏にかけては、たくさんの種類の花が店頭にならびます。とくに5月からはシャクヤクのシーズン!大輪で優雅に咲く様子は貫禄さえそなわっています。私も大好きなシャクヤクですが、過去にかたいつぼみの咲かせ方を知らずに、花が咲かなくて苦い経験をしたことがあります。今回は、シャクヤクをきれいに咲かせるコツをまとめます。

シャクヤクの購入のポイント

午前9時ごろに仕入れたのがお昼ごろにはふっくらしてきました。

シャクヤク(芍薬)
ボタン科ボタン属 別名:ピオニー

4月の後半から6月始めぐらいまで流通します。シャクヤクは市場では硬いつぼみの状態で売られていて、花を咲かす調整がとても難しい花です。
硬いつぼみはなかなか咲かなかったり、つぼみがほころび出したら一気に大きく開きます。

上の写真は、市場で仕入れたときはどれも小さなつぼみだったのですが、気温が高かったこともあって、4時間ぐらいで開花がはじまりました。

もし、あなたがお花屋さんで購入されるのであれば、小さく硬いつぼみは避けて、ふっくらしたつぼみを購入することをおすすめします。ピンポン玉のように丸い形が目安です。わかりづらければ、花びらが1枚か2枚浮いている状態の花を選んでみてください。(上の写真の一番右端のような感じ)花が開きやすいつぼみです。迷うようでしたら店員さんにアドバイスをもらってもいいですね。

シャクヤクの水揚げ

花を購入したら「水揚げ」をしましょう。「水揚げ」とはお花を購入したあと、花瓶に活けたりアレンジする前にする下準備のことです。水揚げをすることで切り花は元気になり、花もちも長くなります。シャクヤクの水揚げの方法を順に説明します。

1.余分な葉を除く

真っすぐな茎にたくさんの葉がついています。

市場で仕入れたシャクヤクは、まっすぐな茎にたくさんの葉がついています。花屋さんで購入されたときはあらかじめ下葉の処理がされているかもしれませんが、使う花瓶の大きさをみて、余分な葉がある場合は取り除きましょう。葉が大きいので、葉から水分が蒸散して十分に水分が行き届かないからです。葉は、簡単に手で取り除けます。

2.水切りをする

葉の処理ができたら、次は「水切り」をします。
水の中で茎を斜めに切ります。そのあと、深水にさします。”深水にさす”とは、バケツや大きめの花瓶に水をたくさん入れたところに1、2時間入れておくことです。

3.つぼみの密をとる

つぼみには、べとべとした密がついています。この密が固まって花びらが開かないと言われています。水につけて落とすか、ウェットティッシュなどで拭き取ります。

ところどころテカっているところが密です。べとべとしています。

4.花びらをほぐす

密をふき取った後に、外側の花びらとガクを指の腹で少しほぐします。花びらを傷つけないように、ゆっくり押し広げるような感じで。
(アトリエチアー初の動画をとってみました!ご参考になれば嬉しいです)

1日1回の水切りをする

水切りをすることで花が水を吸うことができ、開花も早くなります。特にシャクヤクは大きい花なので水をよく吸います。元気な状態で花が咲いたら、花のもちも格段にあがります。花瓶と花瓶の水もきれいにしましょう。

◇参考◇
下の写真は仕入れから4日目の状態で、
左:仕入れたときに一番膨らんでいたつぼみ
真ん中:仕入れたときに一番小さくて開花処理をしたつぼみ
右:開花処理をしなかったつぼみ です。
5月に入ってから夏日が続き、開花が早いです。

 

おわりに

最近では、シャクヤクのつぼみが咲かない という事は少なくなってきているようですが、もし、購入したシャクヤクが咲かないなと思ったら試してみてください。
シャクヤクは、小さなつぼみから大きく豪華に開花し、香りも豊かで、花びらの質感も優美です。この季節だけのシャクヤク。あなたにも楽しんでいただけたらと思います。

※今回こちらのコラムで使ったシャクヤクは”マキシマ”という品種です。つぼみの色はうっすらピンクでしたが、咲くと透明感のある気品高いホワイトでした。

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