切り花のユリを長持ちさせる方法と生け方~夏にも花のある暮らしを簡単に~
最終更新日 2024年9月18日 by mikichigusa
切り花の「ユリ」は、暑さの厳しい夏の季節、花の少ない時期にとても重宝する花材のひとつです。花持ちもよく、一本の茎から枝分かれした花姿が優雅で、香りも高いユリ。切り花のユリは、夏でも花のある暮らしを簡単に楽しみたい方におすすめです。今回は、切り花のユリの特徴と、長く楽しむコツと飾り方をご紹介します。
目次
切り花のユリの種類と価格
ゆり(百合)
ユリ科ユリ属 英名:Lilly(リリー)
まずは、切り花のユリにはどんな種類、また、一般的にどれくらいの金額で販売されているのかご紹介します。
(価格はおおむねの金額です)
切り花のユリには原種だけで、100種もあると言われているようです。その種類の分け方も、原種で4通り、また原種の交配で4通りといわれていて、ちょっと覚えにくいですね。
シンプルに、普段、お花屋さんで販売されている種類は主に、
「オリエンタル系」「スカシユリ」「テッポウユリ」と分けられると思います。
オリエンタル系ユリ
店頭価格 1本 700円~1000円
原種は日本の本州のユリだそうです。
一般的に「オリエンタルリリー」と呼ばれていますが、原種などをを交配した”ハイブリッド種”のことで、品種改良が進み、色や大きさなど様々な品種があります。
よく知られている品種に「カサブランカ」があります。ユリの女王様のような存在ですね。
また近年出回っている、豪華な八重咲のユリもオリエンタルリリーの仲間です。
オリエンタルリリーは、比較的、大きなアレンジメントによく使われます。
スカシユリ
店頭価格 1本 200円~400円
オリエンタルリリーより少し花姿が小さめです。
黄色、オレンジ、赤、など色のバリエーションが豊富です。
花が上を向いて咲くので、アレンジに使うには工夫が必要です。
テッポウユリ
店頭価格 1本 150円~300円
花の形が、ラッパのようになっているのが特徴です。
ご葬儀や、法事などで使われることが多いです。
切り花のユリの日持ちはどれくらい?
切り花のユリの日持ちは、季節、購入した状態、飾る場所に左右されます。
目安として、一番下のつぼみが固い状態のユリは、夏では10日前後、冬では10日~2週間前後は楽しめると思います。
切り花のユリの開花までの時間
切り花のユリの開花までの時間は、寒い季節と、暑い季節とでは、倍ほど違うと思います。
また、店頭で購入時の花の状態にもよります。早く開花させて楽しみたい場合には、下の方のつぼみが、ふっくらしているものを選びます。
まだ、つぼみ自体も青く固そうなユリは、すぐには開花しません。季節により、購入時期を調節する必要があります。
もし、開花時期がわかりにくかったら、店員さんに聞くことをおすすめします。
下の画像のアレンジに使っているユリは、4月上旬、つぼみの固い状態で仕入れ、1週間ほどして開花が始まりました。
夏の季節に切り花のユリをおすすめする理由
私が、特に夏の季節に切り花のユリをおすすめする理由は、2つです!
1. 手入れが簡単!
例えば、夏の季節の切り花のバラを花瓶に活けると、水の濁りが早いので、花瓶の水は毎日変えた方がベターですが、切り花のユリはそんなにすぐには水が濁らないので、2,3日に1回の水替えでも、開花を長く楽しめます。
2. コスパよし!
夏に強そうなヒマワリは、店頭価格1本300円ぐらい、花持ち5日~1週間
オリエンタルリリーは、店頭価格1本700円ぐらい、花持ち10日~2週間
1日換算すると、ヒマワリの方がコスパがよさそうですが、オリエンタルリリーは一つの茎に3~4つの花がついてボリューム感が違います。
ユリの切り花を長持ちさせて楽しむ5つのポイント
さらに、切り花のユリを長く楽しむポイントは5つです。
1.「水揚げ」「水切り」「切戻し」で長持ちさせる
2. 元気なユリを購入する
3. 花粉をとる
4. 涼しい場所に飾る
5. 安定感のある花瓶に活ける
1. 切り花のユリの水揚げ・切戻しの方法
ユリの水揚げは、一般的な「水切り」です。水の中で、茎を斜めにカットします。
また、切戻しの際に、水に浸かっていた部分の茎のヌメリを洗ってあげることで、水を清潔に保ち、花が長持ちします。
>>>切り花を長持ちさせる方法とコツ 水切り 水揚げ
2. 店頭でのユリの切り花の選び方
下の方の葉まで、緑色が濃いものを選びましょう。葉が黄色っぽくなっている物は、花が切られてから時間が経っているかもしれません。
また、つぼみにハリやツヤのあるものが、きれいに咲きます。つぼみが少しシワっぽい、みずみずしさがない場合は、花が咲かずに終わるかもしれません。
見分けが難しいときには、店員さんに聞いてみましょう。
3. ユリの花粉は取り除く
ユリの花粉を取り除くことで、花持ちをよくします。
花粉は、粉状になる前に取っておくことをおすすめします。
「花粉を取ると、香りがしなくなる」と聞いて、取らなかったことがあるのですが、粉状になった花粉が壁のクロスについてしまい、我が家の玄関にはうっすらと、花粉の後が残っています。なかなかとれません・・・・
私のように、花を仕事にしている人たちは、必ず粉になる前に取り除いています。なぜなら、粉がついたユリは「傷もの」になってしまい、商品として扱えないからです。特に、ブライダルで使う際には、花が開き始めるころに、速やかに取り除いています。
ユリの花粉の取り除き方
少し、花が開きかけた時、そっと指か、ピンセットなどでつまんでとります。その時、花に傷がつかないように気を付けます。特に、純白のユリの花びらに傷がはいると、その部分が茶色く変色することがあります。
美しい純白を保つために、ユリの花粉を取り除くときは慎重に!
もし、花粉が粉状になってしまったら、花粉にあたらないよう、慎重にティッシュなどで周りを囲み、取り除いていきます。
4. 切り花のユリを飾る場所
切り花のユリは、一般的な花と変わらず、涼しい場所に飾ると花が長持ちします。
5. 切り花のユリの生け方
ユリは、茎が長い状態で販売されていることが多いです。
長い茎の状態から、手入れをしながら短くしていくと、いろんな飾り方ができ長く楽しめます。
ユリの花は重みがあるので、「安定感のある花瓶を使う」ということがポイントです。
<1>背の高い花器に活ける(花瓶はIKEAで購入した物)
ユリは、一般のお花屋さんでも、比較的、茎が長めの状態で販売されています。まずは、茎の長いまま、大きく迫力のある華やかさを楽しんでみてはいかがでしょうか。
購入から1週間ほどすると、ユリは、特にオリエンタルリリーのように大きな花は、咲いたら重みがでるので、茎を長めに残してに飾りたいときは、倒れないようにしっかりした花瓶を選ぶことがポイントです。
大きい花瓶は、水替えが大変ですが、2,3日に一回は、水に浸かっていた部分の茎を洗い、切戻し(もう一度、水切りをすること)することで夏場でも長持ちします。
<2>茎を半分くらいに切る
ユリは、下の花から咲き始めます。
上の方のつぼみが咲くころには、下の方の花は順に古くなり落ちてきます。花や葉を整理して、切戻ししていき、花瓶も茎の長さに応じて変えていきます。
<3>さらに短く茎を切り詰める
ユリは、切戻しを繰り返すことで、花の先端にまで水が行き届き、長く花を楽しめます。
おわりに
夏にも強く、花持ちの良い切り花の「ユリ」を長く楽しむコツと、飾り方をご紹介しました。「花粉をとる」ということ以外は、一般的な花と手入れは変わりなく、簡単に楽しめます。ユリの切り花をご自宅に飾ると、華やかで優雅な気分になります。1本からでも気軽に購入できるので、楽しんでみてくださいね!
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